パワハラ防止措置導入を弁護士がサポート

防止措置の導入方法

パワハラ防止指針に従い防止措置を講じることになりますが、具体的にどうすればいいのか悩みながら進めている企業が多いのではないでしょうか。そこで、防止措置導入に取り組む企業から聞くことの多いお悩みと共に、導入するにあたって注意すべき点や効果的だと考えられる導入方法を記載していきます。もっとも、あくまで一例を提案するものであり、全ての企業に当てはまるわけではないことはご理解ください。

事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発(措置義務①)

【効果的な周知啓発の方法】

Q.弊社では、これまでもハラスメント研修を実施してきましたし、就業規則にもハラスメントに関する規定を盛り込んであります。しかし、相談窓口への相談も全くなく、どうも形式を整えただけで、周知・啓発の効果が上がっていないと感じています。効果的な周知・啓発方法を教えてください。

パワハラ防止指針が求めることは、「職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、これを労働者に周知・啓発すること」と「職場におけるパワーハラスメントに係る言動を行った者に対して、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則などの文書に規定し、これを周知・啓発すること」です。措置義務を講ずる意味を法的義務だからと考えていては形式的なもので終わってしまいがちです。これでは、わざわざ時間とマンパワーを割いた意味がありません。経営陣がパワーハラスメントの弊害を理解すること、現場の声に耳を傾けること、会社の方針をしっかりと打ち出すこと、定期的に研修を行うことなどが重要だと言われていますが、実際に進めるとなると容易ではありません。

経営陣の理解

パワーハラスメントのリスクを経営陣が理解することから始めてください。

パワーハラスメントは、労働者の意欲を失わせ離職者を生み出すリスクや労災リスクなど経営上の看過できないリスクがあることは言うまでもありません。しかし、経営陣に対して、リスクがあると説明しても響かないでしょう。そこで、労災認定基準(厚労省基発1226号第1号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」)を用いて説明するなど工夫してください。この基準によれば、発症前おおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷が認められることが労災認定の要件の一つとされ、心理的負荷の強度を具体例とともに「弱」「中」「強」の段階に区分した心理的負荷表を指標として、「強」と判断された場合にこの要件を満たすものとされています。心理的負荷表では、「人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた場合」は「強」とされており、執拗に行われていないような場合でも「中」に該当することから、パワーハラスメントには労災リスクがあることを理解してもらえるのではないでしょうか。

また、証拠として残りにくいことや逆らえない風潮などから、昔は泣き寝入りする労働者も多くいましたが、最近ではスマートフォンを使った録音録画が容易になったことで、音声や動画データが証拠として示されることが多くなっています。これにパワーハラスメントが世の中に浸透してきたことも相まって、声を上げる労働者が多くなっています。更に、個人が情報発信する現代においては、いきなりFacebookやTwitter、Instagram、YouTubeといったSNS上へ「ブラック企業」として投稿されることも珍しくなく、迂遠な法的手続きを用いずに私的に制裁を与えようとする風潮も強くなっています。

このようなパワーハラスメントのリスクの多様化、リスクが現実化する可能性が高くなっていることなどを、具体的な紛争事例を挙げて説明できれば理解してもらえるのでお薦めです。経営陣と一緒に「○○株式会社 パワハラ」などとGoogle検索してみてもいいかもしれません。その他、社内アンケートを実施し、実態を目の当たりにしてもらう方法も有益です。

就業規則の確認・整備

並行して就業規則の内容が適切であるか確認し、足りないところがあれば速やかに改訂します。例えば、「職務上の地位を背景とする場合に限定されていないか」、「労基署へ届出されているか」「適用範囲に漏れがないか」、「被害者が全社員対象となっているか」などです。

トップメッセージ

トップメッセ-ジやポスター掲示は、周知・啓発の手段として有効だと言われおり、実施している企業も多いのではないでしょうか。「人事部長」などの名義で通知するのではなく、代表取締役など代表者自らが社員に向けて決意を表明できれば効果的ではないでしょうか。パワーハラスメント対策は、社員は想像以上に非協力的です。抽象的にではなく、具体的な取り組みを盛り込むようにしてください。これからどういった取組をするのか具体的に記載することで、一部署が業務として行っているのではなく、会社の経営方針として取り組んでいることが伝わると思います。トップメッセージは、一度、伝えるだけでは忘れられてしまいますので、社員が目にする場所へ掲示するなど工夫されてください。

なお、企業にはセクシャルハラスメントやマタニティハラスメントについても防止措置義務が課されていますので、パワーハラスメントに限定するのではなく、ハラスメント全般についてのメッセージにすることをお薦めします。文例をあげておきますので参考にされてください。正解があるわけではありませんが、ハラスメントが許されない理由、許さないという方針、取組む決意、従業員の協力も必要であること、相談窓口があること、プライバシー保護、不利益な取扱いをしないことは盛り込むことが望ましいです。

【文例】

●株式会社におけるハラスメント防止に向けた取組について

●年●月●日

●株式会社で働く皆様へ

パワハラ、セクハラ、マタハラなどのハラスメント行為は、人格や尊厳を傷つけ、職場の環境を悪化させる行為であって、決して許されるものではありません。

当社は、全ての従業員が互いに尊重し合える安全で快適な職場環境を実現すべく、「ハラスメントをしない、させない、許さず見過ごさない。」ための取組を実施し、ハラスメント行為を行った者に対しては、厳正に対処します。

今後、アンケートの実施による実態把握、研修による意識向上、相談窓口の有効活用など、パワーハラスメント防止に向けた取り組みを進めて参りますので、積極的にハラスメントに関する知識を学び、パワーハラスメントが発生しない働きやすい職場づくりを心掛け、一緒にハラスメントのない職場にしましょう。

※当社では、ハラスメントに関する相談窓口を設置しております。ハラスメントの報告や相談などがあったとしても、プライバシーには慎重に配慮し、不利益な取り扱いをすることは決してありませんので、一人で悩まず相談窓口へ相談してください。

●株式会社 代表取締役 ●●●●

アンケートの実施

社内の実態を把握するうえでアンケートは効果的です。また、従業員にとっても、会社の取組姿勢を感じることができる良い機会になります。これだけで、気が楽になる方もいるかもしれません。ただ、アンケートを実施してそのままにしないでください。これは、相談窓口へ相談があった時にも同じことがいえるのですが、そのままにして何らの対処もしないと、従業員は裏切られたと感じてしまいます。

アンケートのタイミングですが、トップメッセージを発したあと速やかに実施する方法が考えられます。ただ、このアンケートではパワハラに関する知識がない状態での回答なのでパワハラにあたらない不平不満が様々書かれてくる可能性がありますので、トップメッセージあとに研修を実施してからでもよいと思います。アンケートの対象者は全従業員としてください。派遣労働者の方へのアンケートについては派遣元へ事前に伝えるなど配慮しておくと丁寧です。研修前に実施するアンケートでは、パワーハラスメントに対する認識の程度などが如実に表れ、いかにパワーハラスメントに対する認識や知識が不十分なのかがわかるでしょう。アンケートの内容を見た経営陣が憤慨することも多いので、事前にある程度覚悟を持って、真摯に耳を傾けるようにしてください。

なお、アンケートは回収できて初めて意味があるので、回収率が上がる方法も考えなければなりません。トップメッセージや研修の際に、アンケート実施を明示しておくべきですし、アンケートの内容についても工夫してください。

【アンケート内容で配慮すべき事項】

  • ・アンケートの実施方法(メール添付・返信/手渡し/アプリなどweb上のアンケート)
  • ・無記名にする。
  • ・手書きに限定しない。
  • ・☑(チェックボックス)方式も取り入れる。
  • ・アンケートを集める目的を明示する。
  • ・アンケートが集められ、どの部署が管理するのかを明示する。
  • ・管理職とその他従業員を分けるべきか企業規模などに応じて検討する。
  • ・いつ頃の出来事なのかなどの情報を5W1Hに分ける。
  • ・自分の経験だけでなく、目撃情報や伝聞についても記載してもらう。
  • ・プライバシーが守られることを記載する。
  • ・研修の題材にすることの可否について記載してもらう。
  • ・相談窓口の存在についても案内する(相談窓口カードを併せて配布するなど)。

アンケートを回収したあとは、集計分析を行います。アンケートの回答ごとに整理すれば自ずと傾向のようなものが見えてきます。回答の母数が少ない場合に「%」で把握しようとすると実態にそぐわないので注意してください。

集計分析が終われば、これを踏まえたトップメッセージを改めて発することが望ましいでしょう。そして、研修の実施へと移ります。

研修(タイミングや頻度など)

研修は、役員、管理職とそれ以外を分けて実施することが望ましいでしょう。役員と管理職向けの研修ではどういった、パワーハラスメントのリスクといったマイナス面だけを伝えるのではなく、優秀な人材を育てて定着させるためにマネジメント上の重要性を伝えるなど、前向きな研修となるよう工夫されてください。

実施するタイミングは、トップメッセージ、アンケート実施・回収分析を終えた後をお薦めしています。スケジュール感としては、集計分析の期間を踏まえてアンケート実施から1か月以内といったところでしょう。なお、研修前のアンケートを省略する場合は、トップメッセージのあと速やかに研修を実施します。

社内の方が研修講師をされる場合と、弁護士や社労士といった社外の人間が研修講師を担当する場合が考えられますが、やはり、パワーハラスメントに詳しい人へ依頼すべきです。ここで注意して欲しいのは、社外講師に任せっきりにしないことです。トップメッセージやアンケートの分析結果、会社全体や部署毎の雰囲気をしっかり伝えて各社に応じた研修となるように心がけてください。

※パワーハラスメントは、一朝一夕に廃絶できるものではないので、人が入れ替わることもあるでしょうから、定期的にアンケートや研修を実施するようにしてください。

【周知啓発の流れ】

  1. ①経営陣の理解
  2. ②就業規則の確認・整備
  3. ③アンケートの実施方法・内容の決定
  4. ④トップメッセージ
  5. ⑤アンケート実施
  6. ⑥回収のうえ分析
  7. ⑦トップメッセージ
  8. ⑧研修(管理職・その他従業員を分ける)
  9. ⑨アンケート実施

相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備(措置義務②)

【相談窓口の設置】

Q.相談窓口はどのように設置するのでしょうか。別室が必要なのでしょうか?

相談場所の用意

相談窓口としては、相談した事実やその内容が決して必要な範囲外に漏れないようにすることが重要です。プライバシーが守られる部屋があった方がよいのですが、出入りする姿で気付かれてしまうことの無いよう、ハラスメント相談専用の部屋を設けることは避けるべきでしょう。

相談受付方法の決定

面談だけに限定せず、電話や手紙、電子メール、社内チャットなど相談のチャンネルは多い方が相談しやすいでしょう。まずは匿名で聞いて欲しいという人も多いでしょうから、匿名で連絡を取れる方法も用意すべきです。相談内容が誤送信などで漏れないように、専用のメールアドレスも用意してください。覗き込まれて漏れることのないようにも注意してください。

匿名による相談も受け付けることやプライバシーが守られることは事前に伝えておくと相談しやすい受付方法だと言えます。但し、匿名による相談の場合には、会社として対応をとれないことも伝えておくようにしてください。

【相談窓口の人選】

Q.相談窓口を設置するにあたって、人選はどういった基準ですればいいでしょうか。

パワーハラスメントは、男女問わず起こり得るものですし、セクシャルハラスメントやマタニティハラスメントと複合的に起こるものですから、男女含めた複数人(2名以上)で担当してもらいます。

プライバシーへの配慮も怠らないようにしてください。「どうせ上司へ筒抜けなのだろう。」、「面倒なことを言う従業員だと煙たがられるのではないか。」などと思われてしまうといけませんので、口が堅い人ということになります。面倒な仕事だから思って、適当に押し付けることだけは絶対にやめるべきです。相談窓口の役割は精神的な負担が大きく、担当者が精神的に疲弊してしまいます。

【相談窓口担当者が注意すべき点】

Q.相談窓口の担当者は、どういったことに注意して聞けばよいのでしょうか。

①プライバシーが守られていることなど注意事項を伝える。

社内に広まっても構わない覚悟を持った相談者もおられますが、多くの相談者が、「社内に広まってしまうのではないか」、「相談したことで不利益を受けるのではないか」などといった不安を抱えて相談に来ます。そこで、まずは「承諾がない限りここでの話は誰にも漏らさないこと」、「承諾なく行為者や関係者への事情聴取も行わないこと」、「相談に来たことで不利益を与えることはないこと」などプライバシーが守られることなどを伝えることが大切です。誰にも話さないで欲しいということであれば相談を聞くだけで終わってしまい、事実確認すらできず問題解決に繋がらないことを丁寧に説明してください。放置できないと感じる場合であれば、相談者と何度か面談を重ねるようにしてください。時間を置き、落ち着いて考えることで考えが変わるかもしれません。

②承諾がある場合、誰に伝えるのかなどを明確に伝える。

パワハラがあることを前提に何らかの対処を検討する場合には、行為者への事実確認は不可欠です。場合によっては、目撃者などの第三者にも聴き取りが必要になることでしょう。相談担当者だけで事実確認を行うには荷が重いでしょう。実際は、対処にあたる部署やハラスメント委員会、コンプライアンス委員会、懲罰委員会などの関与のもとで事実確認を進めることになります。事実確認や処分を検討するのに必要な範囲で情報共有することや、加害者や関係者への聴取が必要になることを伝えておく必要があります。

③事実を聞く役割であることを伝える。

相談窓口担当者は、何か判断したり、評価をする立場ではありません。あくまで、事実を聞き取ることが役割です。相談窓口という名称から、どうしても担当者が相談に乗ってあげる役割だと勘違いしがちですので注意してください。一般論としてアドバイスしたつもりでも、会社が対応を約束してくれたと期待させてしまうことがあり得ますし、相談者に自分が非難されていると感じさせることもあり得ます。相談者に対しては、相談窓口は事実を伺うだけだと説明することを忘れないでください。

④事実を聞く

いわゆる5W1Hを聞くという意識を持つとうまく事実を聞くことができます。いつ(When)、何処で(Where)、誰が誰に(Who)、なぜ(Why)、何を(What)、どのように(How)を意識してください。聞く際には、聞き漏らしを防ぐため、聴取する事項をまとめた相談シートを作成しておくとよいでしょう。相談者から聴取した事実がパワハラにあたらないと思った時であっても、相談担当者が判断してパワハラにあたらないと即座に答えてしまうことは避けるべきです。誤った回答をしてしまっては良くないですし、相談者が門前払いをされたと感じて反発してしまう可能性もあるからです。

⑤相談者の意向を聞く

相談をひととおり聞いたあと、行為者に対する処分を望むのかなど、相談者の意向を聞くようにします。処分を検討するには、行為者や目撃者、関係者へ事情聴取する必要があることを忘れずに説明してください。処分まで望まないとしても、配置転換などを望まれる方もいるでしょう。この場合でも、ハラスメントの事実を前提に対処するには、行為者などへの事情聴取は必要になることを説明してください。何ら対応を望まない場合には、相談だけで終わってしまうことを説明することになります。ただ、会社も見過ごすべきではありませんので、再度相談に来るよう促すべきですし、相談者の様子によっては産業医等への受診を薦めることも検討してください。

⑥相談時間や回数

相談時間は、初回は1時間程度と決めておくべきです。もっと話を聞く必要がある場合には再相談にすることをお薦めします。担当者の負担を考えるとあまり長くなってもいけませんし、あらかじめ時間を決めておかないとダラダラと話をしてしまいがちです。また、何回か話を聞くことで相談者が安心して色々話をしてくれることも多いのではないでしょうか。

⑦マニュアルなどをもとに聞く

例えば、次のような項目を記載した相談シートを作ることが考えられます。

  • ❋事前説明項目や説明書きの交付の有無
  • ❋相談日及び相談時間
  • ❋担当者の氏名、所属部署
  • ❋相談者・行為者の氏名、所属部署
  • ❋相談内容
  • ❋目撃者や関係者の有無
  • ❋行為者や目撃者等の関係者との関係性
  • ❋他に相談できる人の有無、相談した内容やその対応
  • ❋相談者の意向
  • ❋相談者の様子
  • ❋相談者への対応
  • ❋次回相談予定

その他、相談担当者が心がけるべき事柄をまとめた担当者心得といったものを準備してもいでしょう。相談対応指針などの名称で策定することも考えられます

【相談窓口の活用】

Q.相談窓口を設けたものの、相談に誰も来ません。対応は必要でしょうか。

周知されていないと利用は期待できませんので、相談窓口があることや、連絡方法、流れ、プライバシーが守られることをトップメッセージ、アンケート用紙、研修資料に記載するようにしてください。相談窓口カードを渡す方法もよいと思います。また、定期的に知らせないと忘れられて形骸化してしまうので、定期的な研修などの際に繰り返し案内してください。

職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(措置義務③)

【事実確認の方法】

Q.パワーハラスメントの相談があったのですが、事実確認はどう進めたらいいのでしょうか。

まず、相談者の話と整合するメールなど客観的事実がないか確認してください。そのうえで行為者への事実確認を行います。行為者に対しては、当該言動があったか否かについての認否から行ってください。そのうえで、人間関係や経緯といった背景事情を聞きます。この時に矛盾する言い分があるかもしれませんが、それには触れずに言い分を全て聞き取るようにしてください。そのうえで、行為者の言い分と整合する客観的事実、相反する客観的事実も確認してください。明らかに客観的な事実と矛盾する言い分や不合理な言い分であれば説明を求めるようにします。これと並行して目撃者など事情を知る第三者からも話を聞き、同じように客観的事実も確認します。そうすると、どちらの話が真実らしいのかがある程度わかります。それでも、パワハラの事実があったのか不明であれば、相談者へ丁寧に説明を尽くすことになります。もっとも、パワハラの事実が確認できないとしても放置すべきではありません。パワハラがなかったとまで言いきれないですし、人間関係が良好でないことは間違いないので、関係改善への援助や配置転換が必要な場合もあります。少なくとも、改めてパワハラに対する会社の方針を周知することや研修を実施するなどもしてください。そうしないと、相談者は証拠がなければ泣き寝入りなのかと裏切られた気持ちになってしまうでしょう。

なお、従業員のメールを確認するにあたり、プライバシーの侵害だと反発されないように、私用メールの禁止やメールやパソコンのログなどを調査できる旨の規定を就業規則に設けておくようにしてください。

【パワハラがあった場合の対応】

Q.パワーハラスメントの事実が確認された場合、どういった対応をすべきなのでしょうか。懲戒処分をすべきだというのは良く分かるのですが、それで解決するのか不安です。

事実確認の結果、パワハラがあったと判断した場合には速やかに、被害者と行為者の関係改善に向けた援助や配置転換、行為者からの謝罪など、被害者への配慮を実施してください。被害者のメンタルヘルス不調が疑われる場合には、産業医などとの面談も検討してください。

そのうえで、行為者への処分を検討します。懲戒処分その他の措置を行う場合、就業規則などに基づいて行ってください。間違っても恣意的な処分をすることの無いようにしてください。どの程度の処分が適切かについては、行為者が指導監督する立場であるか否か、行為の頻度、被害の程度などから総合的に判断することになるので、何が適切な処分なのかは簡単に判断することは出来ません。適切な処分は、厳罰を求める被害者の理解にも繋がりますので、弁護士などの専門家へ相談し、裁判例などを踏まえたアドバイスをもらうことをお薦めします。

【社内公表】

Q.社内公表はどこまでしていいのでしょうか?

被害者が行為者を特定できる内容の社内公表を求めることも少なくありません。また、再発防止のために社内公表をすべきだと考える経営者もいるのではないでしょうか。しかし、社内公表は慎重に判断すべきです。社内公表による再発防止効果は、それほどないのではないでしょうか。再発防止効果といいながら、実は、制裁としての意味合いが強いのではないでしょうか。社内公表は、制裁としては決して弱いものではありませんので、重大な事案でなければ行為者を特定できるような社内公表は行わず、パワハラ事案があったということを抽象的に公表する程度にとどめておくべきです。

①~③と併せて講ずべき措置(措置義務④)

Q.プライバシーへの配慮など、その他注意すべきことは?

相談者だけでなく協力者もプライバシーが守られるのかどうかは不安に思っています。また、相談や協力したことで不利益を受けるのではないかという不安も持っています。こういった不安を取り除くことが、パワハラの実態を浮き上がらせるためには大切です。プライバシーへの配慮や不利益な扱いをしないことは、トップメッセージやアンケート、研修などの過程で常に繰り返し周知していくことを忘れないようにすべきです。また、相談窓口を担当する人や対処する部署などの人達に対しても研修を実施することや、ハラスメント対応指針、相談窓口対応指針やマニュアルを策定して啓発を怠らないことが大切です。

パワハラ防止措置導入に
関するご相談

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